日常系のアニメを見ようと探していると様々な場所で目にする作品「三者三葉」。
私が日常アニメを見始めた頃、見てみたいなぁ〜と思っていたもののAmazon Prime Videoにもdアニメストアにもなかったので、なかなか見る機会がなかった。
しかしそれから数ヶ月経った頃、ありがたいことに気づいたらdアニメストアに追加されていたため、見てみることにした。
あらすじ
大食娘・小田切双葉、元お嬢様・西川葉子、腹黒委員長・葉山照の仲良し三人組に加え、クラスメートで永遠の二番手ツンツン娘・西山芹奈や、親切心からひと言多い近藤亜紗子、陰謀が大好物な葉子様の元メイド・薗部 篠・・・、ゴーイングマイウェイな面々がマイペースに大騒ぎします!!!
3人の主役
三者三葉では、3人の主役がいる。
西川葉子、小田切双葉、葉山照の3人だ。
それぞれの人物には名前に「葉」がつく共通点がある。
それ以外に特に共通点は見当たらない3人だが、それこそがこの作品のタイトル「三者三葉」にかけられている。元の言葉である「三者三様」という言葉の意味が「3人の人がいればそれぞれ考え方もやり方も違う」というもの。まさにこの3人を的確に言い表した作品名だ。
3人の性格もまた個性的だ。
その中でも特に西川葉子(通称・葉子さま)は異質で、お嬢様のような上品な言葉遣いを使いながらも、お昼ごはんにパンの耳を独りで食べているような少女なのだ。どんなお嬢様?ていうか本当にお嬢様?っていう疑問の答えははぜひ実際のアニメを視聴してほしい。
また、葉山照(はやま てる)はヴィジュアルはとても可愛らしいのだが、売られた喧嘩は買うような性格で、逆にけんかを売ってきた相手を泣かしてしまうような強くて腹黒い女子高生。
小田切双葉(おだぎり ふたば)は食いしん坊。この3人の中でシンプルな特徴ではあるが、アニメを見ているとしっかりとキャラが立っているのには驚く。なにせバケツに入ったぷりんをストローで飲むという、ちょっと見ていて気持ち悪くなるような偉業を成し遂げるかわいい女子高生なのだ(笑)
それぞれのキャラクターは個性的ではあるものの、ひとりの人物がなにか変なことをやらかしているとき、他の二人はツッコミ役だったり、常識人的な立ち振る舞いをするため、見ていてメチャクチャな作品だなぁと感じることはない。上手くバランスを取っている作品だと思う。
日常をハチャメチャにするサブキャラ
主人公たちを取り巻く、あまりにも愉快なサブキャラクターたち。
主役のひとり・葉子さまの関係者である山路はストーカーのように葉子さまを監視し、同じく葉子様の関係者である園部は洋菓子店「秘密の花園」というなんだか懐かしさを感じる名前のお店を経営しながら、時々女子高生のコスプレをして女子校に潜り込んだりという奇行を行う。
また葉山照と小田切双葉、それぞれにも関係するサブキャラクターが登場するが、やはりどれもクセの強い人々だ。正直主人公たちよりもクセが強く、もはやこの作品はこのサブキャラ無しでは成り立たないのではないだろうかと思うほどクセが強い。
海へ行こうが文化祭をしようが、あらゆるイベント回でサブキャラのみなさんが登場するため、もはや主人公級の扱いを受けている。
このアニメを見始めたとき、あまりにもサブキャラが登場するため若干くどいなぁ、、と思っていたが、しばらく見ていると彼らの存在を好きになってくる。特に先程言及した園部さんなんかはいいキャラをしていて、あらゆる主人公たちにバイトをさせて自分の趣味の服を着せたり、犬猿の仲である人たちを同じ場所で働かせたり、女子高生という概念に独自の哲学を持っていたり。ことあるごとに主人公たちを困らせるが、視聴者にとって嬉しいことをしてくれる存在だ。
個人的には園部さんと、葉山照の姉である葉山光がかなり好き。
日常アニメのお手本のような作品
このアニメの原作、実は思っているよりも古くから連載されている漫画なのだ。
掲載雑誌は「まんがタイムきらら」。芳文社から刊行されている雑誌で、あの大ヒットした「けいおん!」や「ゆゆ式」「スロウスタート」等々、日常系の作品を多く取り扱っている。
そしてこの作品「三者三葉」は、その中でも2003年から連載されていた作品で日常作品の大先輩格にあたるだろう。
そう思うと、3人の個性的なキャラ、その3人のキャラを輝かせつつも、3人を困らせてしまうような周りのキャラクター。それらを循環させてありふれた日常の一部を切り取る。このスタイルはまさに2010年代に流行った日常アニメの礎とも思える。
いい意味で2010年代のきらら感のお手本感というか、そういった雰囲気も楽しめるいい作品だと思う。
日常系のアニメが好きな人におすすめ
「ご注文はうさぎですか?」、「ゆゆ式」、「ゆるゆり」、「スロウスタート」などが好きな人だったら、まさに同じような系統の作品なので、きっと面白いんじゃないかなと思う。
ただこの作品は序盤の面白さの勢いは控えめで、話数を重ねていくごとに面白さが増えていくアニメだと感じた。なので最初の2〜3話であまりはまらないかな〜と思う人がいたら、5話くらいまで見ていくともしかするとまた感想が変わってくるかもしれない。
なんにせよ、日常系アニメが好きな人にはおすすめしたい作品なのは間違いない。