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2025年05月28日 更新

ものづくりが好きな人必見!『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』

今回は「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」が持つ魅力をご紹介!ほがらかな雰囲気とは裏腹に、かなりガチめなDIYの知識が詰まったこのアニメはものづくりが好きな人達にハマること間違いなし。

皆様はアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」をご存知だろうか。

女子高生たちがDIY部という部活で、ものづくりを行いながらそれぞれの人間関係を深めていく日常系アニメだ。

今回はこのアニメが持つ素晴らしさについてお伝えしたい。

このアニメをキーワードで表すなら

ものづくり、幼馴染、ゆるい、日常、友情、工作

このアニメは、上記のようなキーワードで構成できる。そして上記のキーワードのうち、ひとつでも興味が湧いたテーマがあれば、是非見ていただきたい。きっとハマると思う。

どんなアニメ?

物語は、主人公である結愛せるふ(ゆあせるふ)が、隣の一軒家に住む幼馴染の須理出未来(すりでみく、通称ぷりん)とともに受験した「湯々(ゆーゆー)女子高等専門学校(通称、湯専-ゆうせん-)」に不合格になるところから始まる。

滑り止めとして受験した普通科高校「潟々(がたがた)女子高等学校(通称、潟女-がたじょ-)」に合格したせるふは、この高校で廃部寸前だったDIY部と出会う。

初めはDIY部の部長からDIYのいろはを教えてもらい、何も知らなかったDIYにどんどんのめり込んでいく。

徐々に部員も増えていき、やりたいことも増えていく。そして大きなものを作りたくなったとき、資金が足りないことに気づく。じゃあ資金集めも自分たちで小物を作って販売してしまおう!ということでほとんどの困難をDIY(自分でやる)精神で乗り越えていく。

ものづくりをするという意味だけではなく、精神的な面でもDo it yourselfをテーマにしたアニメである。

欲しいものは、自分で作っちゃえ

このアニメでは、小さな小さなアクセサリ、部室に飾る看板、そしてやがてもっと大規模なものまで自分たちの手で作っていく。

現代に生きていれば、欲しいと思ったものの大半はたいてい商品化されて販売されている。だけど細かいニーズに対応できているかと言われればそうではない。例えば本棚がほしいがサイズが自分の部屋に合わない……といったように。であれば、自分で作っちゃえばいい!と教えてくれるのがこのアニメだ。

自分の手で作ることで自分が本当に欲しいものを手に入れられると同時に、満足感も湧いてくるし愛着だって湧いてくる。

そして何より楽しい。このアニメは、そんなDIYの魅力を存分に描いてくれている。

ぷりんとせるふの対比の描き方

幼馴染のせるふとぷりん。いつものんびりとしていてマイペースでどこが危なげなせるふを、いつもぷりんは面倒を見てくれていた。せるふはいつだってぷりんのお世話になっていて、助けてもらっていた。しかし、成長するにつれてやがてその関係性は変わっていく。

ぷりんはPCを使用してCADなどを使って設計をする、様々な近未来的な専門技術を学んでいる。一方でせるふたちは設計図を手で描き、ノコギリを使い、釘で木の板を接着させるアナログ的な手法でものづくりを行う。

この二人は対比で描かれる事が多い。幼馴染の二人の性格も、やることも、学んでいることも対比で描かれる。複数人でわいわいと楽しそうに工作をするせるふたちと、基本的に一人で設計をするぷりん、のように生活のしかたまで対比される。

何もかもが正反対のように描かれていて、釣り合わない二人にさえ見える。しかし第一話の冒頭から見られるように、ぷりんは本当はせるふとずっと一緒にいたい、という想いが言葉の節々や行動によく出ている。せるふは相変わらずのマイペースな性格なので、ぷりんを翻弄するのだが……

物語が進むに連れ、正反対に描かれている二人が徐々に歯車を噛み合わせていく。少しづつ変化していくぷりんの心境を見るアニメとしても面白いだろう。

細かく描きすぎない、だけど繊細な作画

このアニメの素晴らしさは作画にもある。作画が素晴らしいのだ!

DIYというテーマに沿った、鉛筆で描かれたような繊細な線。色彩は淡いパステル系で表現される。全体的に温かさと柔らかさを感じる作画は目にも優しければ、見る時の心境さえ穏やかにしてくれる気がする。

線をわざと崩したような作画は、どう考えても卓越したスタッフさんたちが制作していることが一瞬でわかる。

ぜひ、まるで絵本の世界を覗いているような感覚になれる作画にも注目して見てもらいたい。

楽しんでみているうちにDIYの豆知識を学べる

DIYに使う道具、用語、知識、様々な専門性を持ったDIYの知識を知ることが出来るのもこのアニメの魅力だ。このアニメを見るのにDIYに関する知識はなくても大丈夫。主人公であるせるふもまた、DIYについて何も知らない状態でDIY部に入る。視聴者はせるふと同じ立場にたってDIYに出会い、DIYを知り、DIYに魅入られていく。

細かいテクニックなどを聞いているうちに自分もDIYをしてみたい!と思えてくる、そんなアニメだ。

DIY精神を学ぶ。そしてDIYをやりたくなる。

DIYとは「Do it yourself」、つまり自分自身でやれ!ということ。

DIYとは実際は工作のことではなく、自分自身で実現していく精神性の話である。以下のサイトにおいて、DIYの始まりが書かれている。引用させていただくと

DIYという言葉が生まれたのは今から約80年ほど前、1945年の第二次世界大戦の終戦後に遡ります。
激しい空襲により大きな被害を受けたイギリスの街ロンドンでは、「破壊されてしまった街を自分たちの手で復興させよう」と国民運動が起こりました。
そのスローガンとして「Do It Yourself(D.I.Y.)/他人任せにせず何でも自分でやろう」という言葉が使われたのです!(DIY FACTORY 様より引用)

このアニメもまた同じだ。作中の世界では近未来を舞台としており、機械による大量生産の時代について触れられている。そしてそんな時代でも自分たちの手で、自分たちの作りたいものを実現していくことの大切さを語っている場面がある。このアニメから発せられるメッセージは、今を生きるクリエイター、表現者、職人など自らの手で何かを作り上げる人たちの心に突き刺さることは間違いない。

そしてこのアニメに揺り動かされた人たちはきっと工作に限らず自分の手で何かを作りたくなるだろう。

テンポが良い。だから一瞬で見終わってしまう。

アニメ「Do it yourself!!」は、人間が持つ創作意欲というものを引き出してくれるようなアニメだ。さらに、せるふとぷりんの幼馴染のチグハグな関係性の行く末、DIY部の面々と協力して作り上げる様々なもの、作品の雰囲気を温かいものにしてくれる音楽と作画。テンポもよく、様々な要素がうまく絡み合って次の話をどんどんと見たくなるような作品だ。

個人的に好きなアニメランキングをつけたらトップ10に入るくらい大好きなアニメになった。

ぜひ”ものづくり”が好きな人に見て欲しい。きっとハマると思う。

「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」 公式サイト