こんにちは、わつぃです。
「作曲研究会」では、作曲に関する知見と技術を深めるために様々な音楽の歴史的背景やその音楽の特徴などを研究し、自分でも作れるようにするための企画です。
今回わたしが知りたいのは「ミュゼット」という音楽ジャンル。
あまり聞き馴染みのないジャンルかもしれませんね。わたしも実は作曲を初めてからしばらくは知りませんでした。ただ、「ミュゼット」にはものすごく魅力が詰まっているので、ぜひ自分でもそれらしい曲を作れるようになりたい!と思い、今回の研究テーマにしてみました。
この記事ではまず、自分で作曲をする前にミュゼットの歴史や使用される楽器などの知識の部分を勉強していこうと思います。
そもそもどんな感じの曲?
とりあえず雰囲気を知るためにミュゼットの楽曲を聞いてみましょう!
よく知られている曲は「Style Musette(スタイルミュゼット)」
なんとなくこんな感じの楽曲聴いたことありませんか?
ミュゼットの楽曲を聞くと、パリの優雅な町並みを想像させます。
あとはこんな感じの曲も。
この動画に含まれる人混みのざわつきさえ、ミュゼットには似合う。こんなストリートミュージシャンがいたら街の雰囲気が優雅になるでしょうね。時間がゆったり流れていくような、そんな音楽ジャンルなのです。
ミュゼットとは
まずは、ミュゼットを知っていかなければなりません。
そもそもどんな時代にどんな場所で生まれた楽曲なのだろうと調べてみました。
と、調べていると意外な事実が・・・
実はミュゼットには3つの意味があるみたい。
(1)17・18 世紀のフランスで流行したバッグパイプの一種。
(2)牧歌的な舞曲で、楽器のミュゼットの特徴を真似て保続低音を持つことが多い。
(3)1920 年代パリで人気を得た、アコーディオンの演奏するダンス音楽。
(意美音 様より引用)
なるほどなるほど……
バグパイプという楽器の一種だとは知りませんでした。2番目のも1番と関連しているみたい。
今回はこの3つあるうちの3番目について学習していきたいと思います。
音楽ジャンルとしてのミュゼット
先程の3番目のミュゼット。これが音楽ジャンルとしてのミュゼットなのですが、これらの歴史的背景を調べていきます!まずは、wikipedia。
wikipediaにも先程同様、複数のミュゼットの意味について記載されていますが、多分今回のはこれ。
1880年代から1940年代にかけて、アコーディオンを押し出したフランスのポピュラー音楽の一つ。中でもバル・ミュゼット(フランス語版、英語版)が代表的。
ふむ。1880年代から1940年代にフランスで流行った音楽ジャンルみたいです。冒頭でご紹介した楽曲でもアコーディオンで演奏されていましたね。
イタリア人とオーベルニュ人の2つのミュゼット
お次はアンサンブル・ミュージック様とLa Zone様でお勉強。
このサイトを読むと知るのは「イタリア人」と「オーベルニュ人」が鍵になっているみたい。
オーベルニュ人から始まった「ル・ミュゼット」
オーベルニュ人が楽器としてのミュゼットである「キャプレット」というバグパイプを持ってパリに来たと。そして、それを週末になると同郷のコミュニティで演奏して楽しんでいたらしい。
このコミュニティがよく演奏していた場所のひとつにバル(ダンス酒場らしい)があって、この集まりは「ル・バル・ア・ラ・ミュゼット」と呼ばれるようになったようだ。呼び名は省略されて「ル・バル・ミュゼット」と呼ばれた。さらにそこで演奏される音楽を「ル・ミュゼット」と呼ばれるようになった。
キャプレットで演奏されるダンス音楽を「ル・ミュゼット」と呼んで、
ル・ミュゼットを演奏する場所を「バル・ミュゼット」と呼ぶということらしい。
とりあえずここまでは「オーベルニュ人」が生み出したミュゼットのお話。
イタリア人たちが独自の要素をもたらした「パリ・ミュゼット」
そして、イタリア人はアコーディオンで、バグパイプで演奏される奏法なんかを取り込んでいったと。
当時イタリアで人気になっていたアコーディオンを持ったイタリア人が、パリに来たときに上記のキャプレットで演奏されるフランス民謡やミュゼットに出会う。
フランスで流行っていたミュゼットに、イタリアンな節回しが加味されて生まれたのが「パリ・ミュゼット」ということらしいです。
色々聞いていこう
つまり先程の複数あるミュゼットは全てバラバラのものではなく、つながっていたということですね。じゃあキャプレット系のミュゼットも聞いてみよう。
キャプレット系のミュゼット「ル・ミュゼット」
保続低音(ペダル・・・同じベース音がずっとなっていること)が楽曲を支えつつ、その上で踊るようにミュゼット・バグパイプがメロディを奏でています。これはこれですごくいい!!楽しげな雰囲気が伝わってきます。
やっぱり保続低音が曲を支えていますね。そして軽快なメロディ。日本人が想像するようなTHE 民族!的な雰囲気が漂います。
「ル・ミュゼット」はなんだかオーベルニュ地方の広大な大地を思い起こさせます。そして明るく楽しげな曲が多い気がします。
ほんと独特な節回し。低音部分がずっと変わらないのに、これだけメロディで世界観を作れるのだなぁと感心してしまいます。音楽のあり方って地方ごと、時代ごとに違いがあり自由で面白いですね。
アコーディオン系の「パリ・ミュゼット」
そしてアコーディオンの「パリ・ミュゼット」
パリ・ミュゼットは時代の流れの中で様々な様式などを取り入れ、やがてジャズの響きも取り入れられていったらしいです。スウィングのリズムなども加味されていきました。
民謡的な香りのするミュゼット。哀愁のある美しい旋律がどこかノスタルジックな気持ちすらおこいさせます。メロディが細かくわたしが最初にイメージしていたミュゼットに近いです。こういうのが作れるようになりたい。
やはりメロディが細かいのにメロディアスで悲しげ。
リズムはずーちゃっちゃーずーちゃっちゃーと三拍子で刻まれる。やはり最初はダンスとともに演奏された音楽ジャンルであることが、パリ・ミュゼットにも引き継がれているのかもしれません。
準備編はここまで
簡単に歴史と楽曲に触れてみました。ほんの少しだけ理解はできましたが、音楽は演奏したり作ってみたりすることでそのエッセンスに触れていかなければなりません。
ということで次はミュゼット「研究編」で、コード進行やらメロディの特徴やらについて調べてみたいと思います。